真珠湾攻撃～よくある学者の間違い～ - 真実の政治家　保守派通信　日本創造の会

人と心社会問題の専門家
出雲まさとです

本稿では、よくある学者の間違いを指摘したい

（１）陸軍と山本五十六の考えは同じである

よく、陸軍が南進を主張し、資源確保を主張したのに対して
山本は、真珠湾攻撃を主張して、噛み合わなかったと
主張する学者がいるが、大きな間違いである

そもそも、資源確保をするのには、完全なシーレーンの必要である
シーレーンの確保と完成には、山本の計算通り米海軍に
少なくても３年は、黙っていてもらう必要がある

山本の計算は、真珠湾は２次攻撃を行い
港湾施設、ドッグ、燃料基地も攻撃の予定であったが
完遂の場合、米海軍は３年程、動けない

つまりは、陸軍の要望を、完成させるには完全な形で
シーレーンの確保が必要であり、その為の真珠湾攻撃と言うべきである

学者が間違うのは、戦後史観を考慮してのもので
その当時の軍人の考え方ではない点である

また、真珠湾が１次攻撃で終了してしまったのは、山本の誤判断ではなく
赤城に座乗する、南雲の独断である

さて、学者の間違いを総括すると
もし、山本が南進だけを行った場合、米機動部隊が日本のシーレーンを
破壊しに出てきてしまう

何しろ、一切無傷の米太平洋艦隊が、存在するのだから
日本の考える防衛圏に、容易に入ってくるだろう

そうなれば資源地帯も攻撃され、ひいては撤退を余儀なくされるかも知れない
この部分を学者は一切指摘していない
真珠湾で、米艦隊を仕留めることは、シーレーン確保の邪魔をさせない為なのだから
山本が、絶対にやるべきだ！と主張したのは、そう言う意味もある

また、国力の違いから、早期講和に持っていかない以上は
打開策がないと思われたので、致命的な打撃を与えて、戦意喪失をさせる為には
それしかないと判断されたのである

ハルノートなどに、ロシアのスパイの意見が加わっており
対日強硬圧力しか、日本には聞こえない様に仕向けられていた

国際条約で認められた、満州、北方領土、朝鮮半島など
全てを手放す主張（要求）は、東条英機も、日本ができないと分かった上で
米国は主張してきていると判断していた

山本五十六だけが暴走したのではなく、東条英機も日本ができない要求を
米国は故意に行っているという認識なのだから
山本五十六が、存在するしないに問わず、決断はあったのだと思う

ロシアスパイが、戦争になるように仕向けていることは
その当時の日本は、知る余地もなかったのは、言うまでもないが

米国以外から、鉄や石油が入ってくる見込みがなければ
一貫した無視もできなかったと思う
今の観点なら、戦争せずに、無視を続けて他と資源確保の話をすればいい
と容易になるが、その当時の世界観では、難しかった

（２）ミッドウェイ海戦は間違いだったのか？

山本が、ミッドウェイ海戦に踏み切ったのは他でもなく
真珠湾で撃ち漏らした、米空母を一網打尽にする為である
これは、東京空襲などで、国民や皇居への攻撃があった場合
皇室を守れなかったことになるので、米残存空母を撃滅する必要があって
やむなくミッドウェイ海戦へと運んだ

今の感覚からすると、米軍がフィリピンを取り戻す為に出てくるまで
日本軍は、動かなくてもいいのでは？
と言う意見もあると思うし、私もそう思う部分もある

しかし

その当時は、ネットもなく、スパイ衛星もなく
その当時考えられる、めいっぱいと言うのが、本当のところである

米空母が存在しており、また東京空襲があるかもしれない
皇居も攻撃の対象かもしれない、これを考えた場合、米空母部隊を
引っ張り出す、作戦（演出）は、必要だったのである

ただ、アリューシャン方面と陽動ではなく、全力をミッドウェイ海戦に
傾けるべきだったことは、言うまでもない
戦力を分散するのでは、勝てる戦も勝てなくなってしまう

山本を名武将と言わない人がいるのは、こう言う部分も多少あると思う

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